【霜月課長も好印象】『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第4話 コロッセオの政争 感想 ネタバレ

今回は『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第4話「コロッセオの政争」についての感想をまとめていきます。


PSYCHO-PASS サイコパス 3 公式サイトより引用 (c)サイコパス製作委員会


『PSYCHO-PASS サイコパス 3』第4話 感想


今回のタイトルの意味とは


第4話のタイトルである「コロッセオの政争」

またまた難しい。

ご存知の方も多いと思いますが、コロッセオは古代ローマの闘技場です。
そして、政治での争い、政争。

この2つにどのような関係があるのでしょうか。

その答えは第4話の作中、灼と小宮の会話で明らかにされていきます。


サイコパス3期は1時間枠ということもあって情報が多すぎます。(笑)
何度見ても飽きないのはうれしいのですが情報の処理がとても追いつきません。



では早速見ていきましょう。


登場キャラクターについては最後に記載してあります。 
以下はネタバレを含みます。


第3話ラストで登場したやよいさん!

PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


前回、ラストシーンで登場したやよいさん。執行官時代と比べると少し表情が軽くなったような感じがします。

そして、やよいさんの現在の仕事はジャーナリスト。
色相が回復し、執行官ではなくなっています。

執行官の色相回復はとても珍しく、伝説の女の子と呼ばれています。(笑)


前回、炯たちが襲われた事件について


第3話で炯と入江執行官が襲われた事件。
いまだに犯人について何もわかっていない状態でした。

なぜ、犯人たちは色相が悪化している状態で街中を移動できたのか。


「色相悪化者を安全に運ぶには、死んだことにするのが一番楽チンだと思ったんです」

霜月「つまり、仮死状態で犯人は街頭スキャナから逃れていた

唐之杜「仮死と蘇生は薬品さえ手に入ればそんなに難しくない」


死人のサイコパスの計測はできません。
犯人たちはこうしてスキャナに引っかからずに現場に現れたのです。

しかし、ここで問題となることが一つ。
仮死状態の犯人を運ぶ人間のサイコパスはどうなるのか。

もちろん悪化します。

しかし、それは自分が犯罪に手を貸していると認識しているときの話。

今までの事件と同様に、自分が何をしているのかさえ知らなければ色相は悪化しません。

これがこの事件のトリックでした。


土谷博士の研究とは


入江執行官の調査で、土谷博士の事務所を発見。
灼は廿六木執行官と入江執行官を連れ、現場に向かいます。

現場に到着すると、そこは廃棄された研究所のように、荒れていました。

そしてその研究室には隠し部屋が。

中に入り、機器の電源をつけるとアシスタントAIが起動します。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


しかし、このAIは完全にオフライン。
土谷博士に何があったのか知りません。

灼が公安局バッチを提示。
土谷博士が死亡し、他殺の可能性があることを伝えます。

土谷博士は自分が殺されることを予測していました。

土谷博士のプログラムにより、AIが捜査に協力し、土谷博士の研究が明らかになります。


土谷博士の研究は、人間の認知負荷を外部からコントロールし、意思決定過程に最も影響する話法、声のトーンを発生させるAIの開発でした。

そして、この大衆コントロールに特化したAIに小宮カリナのホロを着せたもの「マカリナ」が完成したのです。

博士は小宮カリナを守ろうとしていたわけではなく、「マカリナ」を守ろうと必死だったのです。


知事候補2人の討論会


そして、東京都知事選もいよいよラストスパート。
ヘラクレスと小宮の討論会です。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


多くの人が集まる討論会。
灼たちはこの場で小宮が襲われる危険性があると考えます。

停職処分中の炯はというと、なんとすでに討論会会場に。
あくまで、討論会を見に来たと言っています。あくまで。

なかなか苦しい言い訳です。


灼は小宮に襲われる危険があると伝えますが、討論会に出席すると言います。

灼たちは急いで会場へと向かいます。



戦場と化す討論会会場


一足先に「討論会を聴きに」来ていた炯。

会場内の駐車場で仮死状態にする装置を積んだトラックを発見します。
あくまで、討論会を聴きに来た炯ですが、しっかり仕事をしてるように見えます。(笑)

炯は通報しようとしますが、犯人の1人に見つかってしまいます。
停職期間中の炯はドミネーターを使えないため素手で応戦することになりました。


一方、討論会のステージでは、ヘラクレスと小宮が壇上に立ち、討論会が始まろうとしていました。

そのとき、犯人たちが会場のコントロールを乗っ取ります。犯人たちの妨害電波によって小宮のホロであるマカリナに不具合が発生します。

驚く観客たち。そして小宮本人。
犯人たちは壇上に上がり、小宮を連れ去ります。


誘拐された小宮。
犯人たちの目的は小宮がAIを使って偽装していたことを国民に明らかにすることでした。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


拘束され、国民に向けて告白を迫られる小宮。
そこに炯が駆けつけます。

そして炯と犯人たちが戦っているすきに小宮はその場からなんとか逃げ出しました。


討論会はすでにめちゃくちゃです。


1係到着

やっと灼率いる1係が会場に到着します。

会場は全てのコントロールを乗っ取られている状態です。

灼たちは2班に分かれ行動を開始します。

やよいさんと廿六木執行官でコントロールの回復。
灼と入江執行官で小宮を追います。


コントロール室に到着したやよいさんと廿六木執行官。
中には犯人たちが2人待ち伏せをしていました。
そこに合流した炯。
3人で犯人を気絶させます。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会



廿六木「ったく。停職中だろうがよ」

「たまたま巻き込まれただけだ。おかげでドミネーターもない

廿六木「そうじゃねえ。組織の命令と出世が大事な監視官様が、んなことしていいのか」

「関係ない。何をなすべきかは自分で決める」


停職中の炯ですが、何が正しいのか判断し、行動しています。その姿は廿六木執行官の考える「監視官様」とは異なるものです。

2人の関係も1話と比べて温かさを感じます。



灼と炯のコンビはシビュラの意思に反する


コントロールを奪い返した炯と廿六木はそのまま小宮を追います。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会



廿六木「なあ。あんたと慎導監視官、シビュラが組ませたのか」

「いや、相性判定では推奨されていない。むしろ逆の判定が出ていた」

廿六木「シビュラ判定を無視してるっていうのか」

「もちろんシビュラは信用している。だが、システムだけがすべてじゃない。俺も灼もそう思っているだけだ


なんと1係監視官の名コンビはシビュラの意思に反するものでした。

この世界でシビュラの判断は絶対に正しいといっても過言ではないでしょう。

その判断を無視し、自分たちで判断を下す。

なんとなく茜ちゃんを思い出しますね。


そんな炯のことを廿六木は徐々に信用するようになっていきます。


小宮を追いかける灼


灼と入江執行官は小宮を発見。

犯人たち2人に追われている最中でした。

その犯人の1人は榎宮のところにいた大石という男。同じ廃棄区画の出身である入江執行官が応戦します。


大石「公安の常守とかいうやつに廃棄区画の情報を提供するようになってから、何かがおかしくなったと思わないか」


大石の言う常守とは茜ちゃんのことでしょう。
茜ちゃんは廃棄区画に情報屋を雇っていました。
ここから茜ちゃんが巻き込まれた「事件」は始まっていたのでしょうか。


そして、灼はもう1人の犯人に襲われている小宮のところに急ぎます。

灼は犯人にドミネーターを向けます。しかし、ドミネーターは無反応。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


相手は人間ではなく格闘ロボットでした。


格闘ロボットに投げられ落下しそうな小宮を助けた灼。

そこに炯と廿六木執行官が到着します。

2人は協力し格闘ロボットを突き落とし破壊しました。



犯人殲滅後、炯はヘラクレスに同行を求めます。
主犯が榎宮だと知ったヘラクレスは同行に応じました。



使い捨ての駒だった榎宮


一方、榎宮は襲撃に失敗したため逃走しようとしていました。

そこに待ち構えていた梓沢。

榎宮は梓沢に襲い掛かりますが、その戦闘能力には大きな差がありました。

勝てないと悟った榎宮はまたもや逃走。


開いていたエレベーターに乗り込みます。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


しかしそれは梓沢の読んでいた逃走経路。
そのままエレベーターは落下してしまいました。




炯の処分と霜月課長


さて、事件は解決。しかし、これで終わりというわけではありません。

今回、炯は停職処分中の身でありながら、活動。

相応の処分を覚悟していました。


霜月「呼び出された理由がわかるわね

「停職中の捜査介入。申し開きできません」

「イグナトフ監視官に責任はありません。あるとすれば現場監視官の・・・」

霜月「停職~?なんの話?」

「え」  「は」

霜月「討論会場での事件発生数10分前、私と局長が対テロ特別措置としてイグナトフ監視官の停職を解いておきました。いい?かなり危なかったのよ。2度目はないと肝に銘じなさい」


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


あの霜月課長がこんな顔をするとは。

2期の霜月とは大違いです。部下のことを考え思いやりのある課長ですね。


東京都知事選の結果は


ようやく終わった東京都知事選。

結果は小宮カリナの当選。
これはビフロストの既定路線ですね。

今回の事件で小宮カリナのAI「マカリナ」が周知されるようになってしまいましたが、結果は小宮の当選。

大衆は細かいことは気にしていない、ということでしょう。


「理想の人間って何だろうな」

「薬師寺はドーピング漬けの理想的アスリート。小宮カリナは勝つことが目的で手段を選ばない。結局、最もシビュラ的な存在はマカリナ。AIだったんじゃないか」

「自分自身を外部に委託して、むしろ生身がアバターになる。今の時代そういう考え方もあるのかもね。とはいえ・・・」

炯・灼「システムがすべてじゃない」


シビュラは最大幸福を前提にしています。

大衆の考えを1つにまとめ幸福に導くことのできる存在。マカリナ。

この存在は東京都知事選の候補者の中で最もシビュラ的であるといえますね。



東京都知事選が終わったビフロスト

PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


ビフロストの既定路線である小宮カリナの当選。
榎宮のカードを持っていたのは裁園寺でした。


裁園寺「このまま静火さんが消えるのはさみしいわ」


世論誘導用AI(マカリナ?)に賭けなかった法斑は大きな損害を受けることになりました。



灼を呼び出した小宮カリナ

PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


小宮は非番だった灼を呼び出しました。

そして土谷博士が、亡くなった娘の代用品として溺愛していたことを告げます。


土谷博士は2度とあんな事件が起こらないように研究をしていたようです。


「古代ローマの詩人ユウェナリスは、権力者たちはパンとサーカスによってローマ市民を盲目的にしている、と詩編で揶揄したそうです」

小宮「いいんじゃない。それで平和になるなら。みんながみんなずっと目を開いていたいわけじゃないんだし」


小宮と灼の会話です。

今回のタイトルであるコロッセオの政争。

人間の脳は考えることを負荷であると認識します。

古代ローマの権力者は、日常の楽しみであるサーカス(コロッセオで行う闘技)とパンによって、市民を考え悩むことから解放し、まとめ上げました。

人間の脳は本質的に楽なほうへと流れる。
個人で考えるよりも大衆の意見に乗っかるほうが楽なのです。

それもそれでいい。それが人間の生き方なのです。

この原理を応用した政治がマカリナ・小宮カリナの演説だったというわけでしょう。



監視官の死んだ事件とは



炯と灼が話していると、廿六木執行官が声を掛けます。


廿六木「榎宮の名刺は薬師寺の所持品だ。もう1つは前の監視官と俺と入江が、なんかの捜査でこの男に話を聞いたときにもらった


そういって榎宮の名刺と、梓沢の名刺を渡します。


PSYCHO-PASS サイコパス 3より引用 (c)サイコパス製作委員会


監視官たちは何の捜査をしているのかを教えなかったといいます。

そして、事故が起こり、監視官の1人は死に、もう1人は施設送りになったようです。

このとき捜査していた監視官、そしてその事件とはいったいなんだったのでしょうか。


そして榎宮の事件はこれで打ち切りとなるのでした。


第4話まとめ


今回で東京都知事選が終了しました。

今回の話で明らかになったことは炯と灼、2人ともシビュラは信用しているがそれがすべてではないという固い意志を持っていることでしょうか。

この世界ではシステムがすべてであり、個人の意思決定よりもシステムの判断が優先せれる傾向があります。

誰もがそのほうが幸せになれると信じ込んでいるからです。


炯・灼のコンビはシビュラの判断に反するものです。
なぜ、シビュラがこの2人は相性が悪いと判断したのか。
このコンビは一見、これ以上ないほどに最高のコンビに見えます。

だとすると、シビュラ自身の脅威になる可能性がある。と判断されたのではないでしょうか。

シビュラの言う最大幸福を実現するためには、全ての人間がシビュラを信じ、1つの考えにまとまってくれたほうがいいはず。

炯と灼はシステムは信じているものの、判断は任せていません。
この2人はシステムにとってどのような存在になっているのでしょうか。



そして、1話で少し反抗的な感じだった廿六木執行官と入江執行官、第4話ではすっかり炯と灼とよい関係を築き上げているように感じます。



さて、次週の第5話では、また新しい事件が題材となるのでしょう。そしてその事件も間接的な犯罪。背後にキツネ、そしてビフロストが存在するはずです。

ビフロストはシビュラから認識されていない存在。
どのような結果が待っているのでしょうか。
次週の放送が楽しみです。




今回までのキャラクター



公安


細呂木晴海[局長] ほそろぎ はるみ (CV:榊原良子)
霜月美佳[監視官・課長] しもつき みか (CV:佐倉綾音)
慎導灼[監視官] しんどう あらた (CV:梶裕貴)
炯・ミハイル・イグナトフ[監視官] けい・みはいる・いぐなとふ (CV:中村悠一)

雛河翔[執行官] ひなかわ しょう (CV:櫻井孝宏)
廿六木天馬[執行官] とどろき てんま (CV:大塚明夫)
入江一途[執行官] いりえ かずみち (CV:諏訪部順一)
如月真緒[執行官] きさらぎ まお (CV:名塚佳織)

唐之杜志恩[分析官] からのもり しおん (CV:沢城みゆき)

六合塚弥生[ジャーナリスト] くにづか やよい (CV:伊藤静)

行動課


花城フレデリカ[外務省行動課課長] はなしろ ふれでりか (CV:本田貴子)
狡噛慎也[外務省行動課] こうがみ しんや (CV:関智一)
須郷徹平[外務省行動課] すごう てっぺい (CV:東地宏樹)
宜野座伸元[外務省行動課] ぎのざ のぶちか (CV:野島健児)

ビフロスト


法斑静火[コングレスマン] ほむら しずか (CV:宮野真守)
代銀遥煕[コングレスマン] しろがね はるき (CV:中博史)
裁園寺莢子[コングレスマン] さいおんじ きょうこ (CV:田中敦子)


ハイパートランスポート社


死亡〉与根原巧[財務担当] よねはら たくみ (CV:堀江一眞)

死亡〉旭・リック・フェロウズ[会計士] あさひ・りっく・ふぇろうず (CV:萩野晴朗)


謎位置


常守朱[?] つねもり あかね (CV:花澤香菜)
慎導篤志[灼の父] しんどう あつし (CV:菅生隆之)
法斑却一郎[法斑の父] (CV:麦人)



梓沢廣一[インスペクター] あずさわ こういち (CV:堀内賢雄)
小畑千代[クラッカー] おばた ちよ (CV:矢作紗友里)

死亡〉榎宮春木[インスペクター] えのみやはるき (CV:宮寺智子)
拘束〉些々河哲也[インスペクター] ささがわ てつや (CV:楠大典)

その他


ドミネーター (CV:日高のり子)
ラウンドロビン (CV:森川智之)
アーディレ・フェロウズ[1話被害者の妻] (CV:藤堂真衣)

バザロフ・トリスコフ[1話規定値超過サイコパスの原因] (CV:堀総士朗)
ケイン[1話規定値超過サイコパスの原因] (CV:田島章寛)
八ツ俣仁志[1話規定値超過サイコパスの原因] (CV:佐々木義人)

小宮カリナ[東京都知事選候補] こみや かりな (CV:日笠陽子)
アン・オワニー[秘書] (CV:小松由佳)
死亡〉土谷荒城[メンタルケアスタッフ] つちや こうじょう (CV:宇垣秀成)

薬師寺・ヘラクレス・康介[東京都知事選候補] やくしじ・へらくれす・こうすけ (CV:白熊寛嗣)
廿六木春馬[秘書] (CV:辻親八)
死亡〉リー・アキ[秘書] (CV:上田耀司)


舞子・マイヤ・ストロンスカヤ[炯の妻] まいこ・まいや・すとろんすかや (CV:清水理沙)



PSYCHO-PASS サイコパス 3 を視聴するには



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この際PSYCHO-PASSを1期から一気見してしまいましょう!



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